Cover Artist | w.o.d. -前編-

Mustangはめちゃくちゃ大きな存在です

圧倒的な音楽センスとライヴパフォーマンス、ビジュアルワークで人気を博し、10月23日にメジャー1stアルバム『あい』をリリースする神戸発の3ピースバンド、w.o.d.がFenderNewsのCover Artistに登場。インタビュー前編では、初めて購入したエレキもアンプもフェンダーと、彼らの音楽人生を語る上で欠かせない存在と言えるフェンダーとの出会いや、7月10日に発売されたばかりのPlayer II シリーズのインプレッションを聞いた。

上京して初めて買ったアンプが初のフェンダーでした

──楽器を始めたきっかけを教えてください。

サイトウタクヤ(以下:サイトウ) 小学生の時から、何となくずっと音楽が好きやった。親もザ・ビートルズが好きだったし、テレビっ子やって音楽番組も全部録画していたし、そもそも実家にフォークギターがあったんです。母親は昔に素人も参加できるイベントに出てたらしく、ギターに母親の名前とリンゴのステッカーが貼ってあって(笑)、それを触ったりしていたんです。中学に入った頃に兄ちゃんがフェンダージャパンの赤いStratocasterを買って、兄ちゃんがBUMP OF CHICKENを好きやって、その影響でバンプを弾いたりしてました。のちに自分でギターを買って、洋楽のハードロックが好きでレッド・ツェッペリンとかを弾いてましたね。エクストリームも弾いていたのでピロピロ(速弾き)もやってました(笑)。その後ジミヘンとか好きになってバンドでコピーとかしたけど、中学生の時にどハマりというか、衝撃やったのがニルヴァーナ。それで完全にこうなった感じですね(笑)。

Ken Mackay(以下:Ken) 僕は小さい頃にジャズダンスを習っていて、先生がR&Bとかブラックミュージックを取り入れる人やったんで、そういう音楽はめっちゃ聴いていた気がする。中学時代はMTVが人気やったんでヒップホップを聴いていたけど、バンドをやろうって。

サイトウ そう。同級生やったんで、コピバンをやろうって時に“ベース弾いて”って俺が言ったらしい。覚えてないですけど(笑)。

Ken ちょうどそのタイミングで、友達のおじさんがベースとアンプをセットでくれて。YouTube世代なので、ベーシストを検索して出てきたのがレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーで毎日コピーしてました。

サイトウ 今でこそピックで弾いているけど、絶対に指でしか弾かなかったよね(笑)。

Ken 6年前ぐらいかな。それまでは“絶対にピックは嫌”と言ってました。

サイトウ 最初にKenと練習したのが、ステリオグラムの「ウォーキー・トーキー・マン」だった気がする! 簡単そうやなと思って。

──元良さんがドラムを始めたきっかけは?

中島元良(以下:元良) なぜかやってみたいと思っていたんです。高校に入って友達とバンドをやろうと話していたんだけど、軽音楽部がなくて、しょうがないからやめようと思っていたら高2の時に音楽室からドラムの音が聴こえてきて。学校にドラムあるじゃん!と思ってバレーボール部を辞めて、バイトして練習キットを買って音楽教室に習いに行きました。

──楽器を始めた頃の練習方法を教えてください。

サイトウ めちゃくちゃギターが好きやったんで、ずっとギターに触っていましたね。高校の時は学校にスピーカー付きの小さいギターを持って行って、休み時間にピロピロ弾いてました(笑)。あとは制服のポケットに左手の指を鍛える器具を入れて、右手で教科書に隠しながらギターの教則本を読んでました(笑)。

──すごい!

サイトウ 超ギター野郎やった。

Ken あの頃、めっちゃ上手かったもん。

サイトウ テクニック的には今より上手かったかも(笑)。でも上手いだけじゃダメやから。

──Kenさんの練習方法は?

Ken YouTubeですね。David Sin Rocksっていう人の動画をひたすら見ながら弾いてたかな。

サイトウ こいつも“弾いてみた動画”の走りみたいなタイミングで動画を上げていたんですよ。

元良 しかもけっこう上手いんだよ。

Ken kenbassistというチャンネルで、 “ケン ベーシスト”って検索したら出てきます。中高生の頃、レッチリとかストレイテナーをコピーしててそれが上がっています。

──初めて買ったフェンダーは?

サイトウ アンプを持っていなくて、上京して初めて買ったアンプが初のフェンダーでTwin Reverbでした。スクワイヤーのテレキャスは持っていたけど、お金があると使っちゃうから、フェンダーのギターはなかなか買えなかったですね。

Ken Mustangは?

サイトウ 自分で買ったわけじゃないんですけど、20歳の誕生日を祝ってくれるってことで、よく行ってた尼崎の音楽スタジオに行ったんですよ。着いたらKenが集めた友達がいっぱいいて、フェンダーって書いてあるケースが置いてあって。ちょくちょく“やっぱりMustangだよな”と言ってたので(笑)、開けたらフェンダージャパンの黒のMustang。みんなでちょっとずつお金を出し合って買ってくれて、嬉しくて、ずっとスタジオのロビーでアンプにつないで弾いていたら、スタジオの店長に“そろそろやめとけ”って怒られました(笑)。w.o.d.でもずっとそのMustangを使っていました。1stアルバム『webbing off duckling』はMustangだけで録ったし、ライヴでもずっと使っていたし、最近のレコーディングでも使いました。Mustangはめちゃくちゃ大きな存在です。

Ken 俺がフェンダーをゲットしたのはわりと最近です。今録っているアルバム『あい』の1曲で、エンジニアさんのヴィンテージフェンダーを使わせてもらって、めちゃくちゃいい音だったんです。弦も十何年替えていないベースを使わせてもらって、うわ、フェンダーめちゃくちゃいいなと思いました。

Player II Precision Bassは振動がめっちゃ来るから気持ちいい

──フェンダーはどんなイメージですか?

サイトウ 超スタンダードで、その中でも常に新しいことをやっている印象。今日も初めてPlayer II シリーズを弾いたんですけど、めちゃめちゃ良かったよね?

Ken うん。しかも安心する。

サイトウ ヴィンテージほどじゃない古いギターを探しても、フェンダーのギターは作りがちゃんとしているから、格の違いやなっていつも思いますね。コピー品じゃないから。

Ken フェンダーは安心、安定感がありますね。40〜50年使っているベースでもさらにいい音だから、今日弾いたPlayer II Precision Bassもどんどんいい音になるやろうし、育てていきたいと思いますね。

──Player II シリーズの感想を聞かせてください。サイトウさんはどういう基準でPlayer II Jaguarを選んだのですか?

サイトウ ストラト、テレキャス、ジャガーを弾きました。JaguarってMustangと一緒で、ショートスケールでちょっとチープになりがちなんですけど、メインで使える音をしていますね。あとは弾きやすい。さっきKenとも話してたんですけど、何かめっちゃいいよねって(笑)。何でかわからないけど、弾いたらわかる良さがあります。あとは音ですね。ちゃんと鳴ってくれる。ギターにクセがあったりすると、アンプのイコライジングのポイントが1ヶ所ぐらいしか正解がなかったりするけど、いろいろやってもちゃんと鳴るイメージでした。

──安定していると。

サイトウ そうですね。コントロールもしっかり効くし、美味しいポイントが弾く人によってそれぞれ見つかる気がします。

──なるほど。ビギナーにもオススメ?

サイトウ 絶対にいいと思います! こんなちゃんとしたギター、ビギナーで使えるのはむしろ最高!

──どういう曲やシチュエーションで使ってみたいですか?

サイトウ 今はストラトをメインで使っていて、レコーディングでは2本目に違うギターを入れることがあるんですけど、同じフレーズを重ねることが多いんです。ギターのタイプが違いすぎると、バランスが悪くなったり浮いたりするんですけど、2本目として入れるにはすごく良さそう。そこはやっぱりフェンダーらしさかもしれないですね。スタンダードな合格点は出ているし、基本的な良さが全部出ている気がしました。

──KenはPlayer II Precision Bassを弾いてくれましたが、どうでしたか?

Ken アンプにつないで弾いた時に、想像の倍くらい音が強かったのでびっくりしましたね。弾きやすいし響きがめっちゃいいです。

サイトウ 長く使えそうやなって思いますね。

Ken 弾いた時に体に振動が来るベースが好きなんです。Player II Precision Bassは振動がめっちゃ来るから気持ちいいです。

──どんなシーンで使ってみたいですか?

Ken 普通にライヴで使えるかな。まだがっつり弾いていないのでわからないけど、レコーディングでも使えると思う。攻める曲で使えそうな気がします。

サイトウタクヤ:Player II Jaguar | Ken Mackay:Player II Precision Bass

>> 後編に続く(近日公開)


w.o.d.
サイトウタクヤ(Vo,Gt)、Ken Mackay(Ba)、中島元良(Dr)からなる神戸発の3ピースバンド。圧倒的な音楽センス、ライヴパフォーマンス・、ビジュアルワークで、類い稀なオリジナリティを見せつけるネオグランジバンド。音楽番組『バズリズム』の「これがバズるぞ2023」で 4位にランクインし、タワーレコードの「タワレコメンアワード 2022」に入賞。2023年4月には中野雅之 (BOOM BOOM SATELLITES / THE SPELLBOUND)によるプロデュース楽曲「My Generation」を配信リリース。9月にはTVアニメ『BLEACH 千年血戦篇 -訣別譚-』オープニングテーマに起用されたシングル「STARS」を、11月にシングル「陽炎」をリリース。2024年10月23日にメジャー1stアルバム『あい』をリリース。それに伴い、全国24ヶ所を廻るリリースツアー〈I SEE LOVE Tour〉を11月より開催する。https://www.wodband.com/

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