Cover Artist | Billyrrom -後編-

ひたすら弾いていたら、想像もしていなかったような場所に行ける

東京都町田市出身のメンバーによって2020年に結成された、Billyrrom。ソウル、ファンク、ロックなど、メンバー各々のルーツが融合した彼らの音楽は、“トーキョー・トランジション・ソウル”と称されている。大型音楽フェスへの出演を重ね、海外からの注目も集めつつあるBillyrromからMol(Vo)、Rin(Gt)、Taiseiwatabiki(Ba)がFenderNewsのCover Artistに登場。インタビュー後編で語ってもらったのは、バンド結成にまつわるエピソード、最近の活動について。楽器に興味を持っている人へのメッセージも贈ってくれた。

たくさんの人にライヴを見てもらえる2024年でした

──Billyromはどのように始まったんでしょうか?

Mol 僕とRinは同じ大学だったんですけど、コロナの影響で授業とかがなくなっちゃったんです。“暇だね”という話をしながら学校から一緒に帰ってた時に“バンドやろう”とRinが言ってきて、僕はコロナの影響があった期間だけの暇つぶしだと思ったので、“いいよ”と軽く返事をしました。でも、ドラムとベースも入れたくてRinに相談したら、“中学が一緒だったwatabikiとShunsukeを絶対に加入させることができる”と言い始めたんですよね(笑)。ShunsukeとTaiseiは同じ高校だったから、僕もよく知っているやつらだったんですけど、Rinがそこまで自信たっぷりだったので任せることにしました。

Rin ShunsukeとTaiseiとは“俺ら一緒にバンドやったら面白いんじゃね?”という話をなんとなくしたことがあったんです。だからベースとドラムを探すとなった時に、2人のことがすぐに思い浮かびました。Molと一緒に作ったデモがカッコ良くなっていたし、ShunsukeとTaiseiは中学の頃からの付き合いなので、“こう誘えば絶対にOKしてくれるだろうな”というのは見えていましたね。

Taiseiwatabiki 何かむかつくなあ(笑)。この2人(MolとRin)に町田の駅前のマックに呼ばれたんですよ。“急になんだろう? 気持ち悪いなあ”と思って行ったらデモを聴かせてくれました。最初のEP『Frontier』に入っている「Magnet」と「Babel」だったかな? 当時、周りにはR&Bとかソウルに精通している人がいなかったんですけど、もともと仲が良かった友だちがそういう音楽をやり始めていて、しかもカッコ良かったのですごいなと思いました。

──結成から約4年ですが、活動はずっと順調でした?

Taiseiwatabiki そんなことはないです。最初の頃は、全然お客さんがいなかったので。

Mol お客さんが来てくれるようになったのは、ここ1年くらいです。

Taiseiwatabiki 僕らのお客さんが0人で、ただ対バン相手に睨まれて終わったりしていました。

Rin そういう経験をしてきたおかげでメンタルが強くなりました(笑)。

Mol でも、当時から来てくれるファンの人がいたんです。いつも来てくれるのがとてつもなく嬉しかったです。“うわっ! Billyrromのこと知ってくれてるんですか?”って。

Rin 昔はライヴハウスでどうやったらライヴができるのかもわかっていなかったですし、ひたすらライヴをやってみることを繰り返していました。

Mol とりあえずいろんなライヴハウスのSNSにDMを送っていました。でも今になって思えば、僕らがDMを送っていたライヴハウスは有名なところばかりだったんですよね。よくわかっていなかったからこそ、怖いもの知らずなことができていたんだなと思います。

──2024年は手応えを感じられることが多かったんじゃないですか?

Rin そうですね。ワンマンライヴにお客さんが来てくれて、フェスにもたくさん出させていただいて、アルバムもリリースできました。2023年にフジロックに出た時は苗場食堂だったんですけど、2024年はレッドマーキーでしたし嬉しかったですね。

Taiseiwatabiki たくさんの人にライヴを見てもらえる2024年でしたね。

Mol いろんな出会いもありました。

まずは“楽しい”と思えることを見つけてほしい

──12月4日にリリースしたシングル「Nightglow Dreamer」も、台湾のバンドのWendy Wanderとの出会いが生んだコラボ曲でしたよね。

Mol はい。2023年に彼らがイベントに出るために来日した時、僕らはたまたま見に行っていたんです。曲もライヴもカッコ良かったので絡みにいきました(笑)。拙い英語で“すごく良かった!”とバイブスで伝えたら、最初は引き気味だったんですけど日本でツアーをやる時にBillyrromを呼びたいと言ってくれて。あとから理由を聞いたら、“知り合いの日本のバンドがBillyrromしかいなかったから”ということでしたけど(笑)。

Taiseiwatabiki 第一印象は、“ベロベロに酔っぱらって話しかけてきた日本人”ということだったみたいです(笑)。

Mol Wendy Wanderと一緒に東京、大阪、京都でライヴをさせてもらって、毎公演後に一緒にご飯を食べてコミュニケーションを取っていくうちにすごく仲良くなりました。僕も含めてですけど、ウチのバンドのメンバーの純粋無垢なあの表情は、久しぶりに見た気がします。僕らが初めて台湾でライヴをした時も、Wendy Wanderのみんなが遊びに来てくれました。彼らのスタジオに遊びに行ってセッションをした時に生まれたのが「Nightglow Dreamer」です。

──Billyrromの年始のツアーは、台北公演もありますね。

Mol そうなんです。2025年は、アジアのエリアでの活動をより広げていくことになると思っています。Billyrromというバンド名には、“こだわりを持って作っている自分たちの音楽をいろんなところで鳴らしていく”という意味が込められているので、友だち同士で好きな音楽をやり続けて、それが自ずと広がっていったらいいなあと思っています。バンド名をどんどん体現できている感覚があって、すごく嬉しいです。

──Billyrromに憧れて楽器を始める人もいるはずですが、伝えたいメッセージはありますか?

Rin 何歳から始めてもいいんです。自分も始めたのは大学に入ってからなので。楽器が本当に好きになってひたすら弾いていたら、想像もしていなかったような場所に行けることがあるんですよ。身をもって体験してきたことなので、それは自信を持って言えます。

Taiseiwatabiki 楽器を難しく考えることはいくらでもできるけど、まずは“楽しい”と思えることを見つけてほしいですね。好きな曲のコピーをしたり、友だちとスタジオに入って適当に音を合わせながら楽しさを見つけるのが大事な気がします。

Mol “好き”“楽しい”と思う部分を見つけるのは、やっぱり大事ですよね。弾いたり聴いたりしながら、気持ちいいと感じるところに本質があるんだと思います。音楽は自由にやるものですから、好きな時に好きなことをすればいいんじゃないでしょうか。僕らも自分たちが聴いた時に気持ち良くなって、調子良くなれる音楽を作り続けていきたいと思っています。

Player II Telecaster | Player II Stratocaster | Player II Precision Bass

>> 前編はこちら

Rin:ジャケット ¥69,300-、パンツ ¥49,500- | Mol:シャツ ¥41,800-、パンツ ¥49,500- | Taiseiwatabiki:ジャケット ¥15,180-、インナー ¥23,200-/F IS FOR FENDER(エフ イズ フォー フェンダー)


Billyrrom
東京都町田市出身のメンバーによって2020年に結成された、Billyrrom(ビリーロム)。

SOUL、FUNK、ROCKなど幅広いルーツを持つメンバーによって、次世代ポップミュージックを創出する。毎年行われるワンマンライブはいつもソールドアウト。世界で1000組以上の中から25組が選ばれる「Fender NEXT」、中国ストリーミング、NetEase Cloud Musicの2024年度新人音楽賞「年度新声推薦」、Spotify「RADAR: Early Noise 2025」、にも選出され、世界で注目のアーティストとして各所取り上げられている。

Music Videoの9作品がYouTubeで100万回再生を記録し、バイラルチャート日本、台湾、香港、ベトナムでTOP10ランクインや、アジア9カ国プレイリストイン。

昨年はFUJI ROCK FESTIVAL、METROCK、GREENROOM FESTIVAL、RISING SUN ROCK FESTIVAL、SWEET LOVE SHOWER、RADIO CRAZYなど日本各地や台湾などの大型フェスにも出演。2025年は本格的なアジア進出に向けて規模拡大し、今後のライブ活動の動向に要注目してほしい。

バンド名の由来は、敬愛するビル・エヴァンスが持つ“流されないマインド”と、移動型民族であるロマ族による“自分たちの音楽を様々な場所から発信していく”という流動性を大切にしたいという信念から名付けられた。 次世代へと進化し続けるサウンド=“トーキョー・トランジション・ソウル”を奏でる彼ら。新時代を颯爽と切り拓く、快進撃は止まらない。
https://billyrrom.com/

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