関ジャニ∞ 『18祭』
デビュー18周年の“成人”を記念し、7月16日・17日に神奈川・日産スタジアムで、7月23日・24日に大阪・ヤンマースタジアム長居で開催された『18祭』。これでもかと繰り広げられるエンターテインメントなステージに、驚き、笑い、楽しんだ18年の集大成とも言える祭り。今回は日産スタジアム2日目の模様をレポート。FenderNewsでのレポートということで、ライヴ後半で行われたバンドセットでの楽曲と、安田章大が奏でるフェンダーのAmerican Acoustasonic®︎ Telecaster®︎を中心にお届けする。
力強いバンドサウンドを見せつけた、エンターテインメントいっぱいのステージ
ステージ上空のデッキからメンバーが登場すると「無責任ヒーロー」からライヴはスタートし、7曲ぶっ通しで披露する。上空デッキからリフトで下に降り、メインステージからムービングステージでアリーナ後方のサブステージへと、曲ごとにセットでも緩急をつける王道スタイルで、序盤から究極のエンターテインメントを繰り広げる。
続いて、ジャニーズメドレーコーナーへ。会場がひときわ大歓声に包まれた、なにわ男子「初心LOVE」の完コピから始まり、次々とジャニーズ先輩・後輩の楽曲をカヴァーしていく。Jr.コーナーを経て、ライヴ中盤は夏ソングメドレー。ここでは何と言っても、夏定番曲「罪と夏」での総重量50トン、地上20m以上の高さまで上がるウォータースプラッシュが目玉だった。ずぶ濡れのメンバーと観客で、夏の思い出を彩ったはずだ。
その後、ファンからのリクエスト企画で決定した“ダンスしてほしい曲”“歌ってほしいレア曲”を経て、ファンにはお馴染みの「∞レンジャー」、CMでも話題になったキャンジャニ∞「CANDY MY LOVE」へと続いた。
ライヴ後半、関ジャニ∞の真骨頂とも言えるバンドセットへ突入。メンバー紹介の映像のあと、開放感と疾走感が同居するポップなロックチューン「ここに」からスタート。安田章大がコードストロークしながら歌い始める。メンバーが部分的にソロで歌唱するのが、関ジャニ∞のヴォーカルスタイル。安田のギターバッキングもエッジが立って心地良いサウンドだった。ギターソロでは、ドライブサウンドのオクターブ奏法をプレイ。パワーコードでのエレキの力強さ、コードストロークでのエレキとアコギをミックスしたようなハイブリッドサウンドが特徴的だった。
安田がメインギターとして使っていたのは、フェンダーが提示する“次世代の楽器”、American Acoustasonic Telecaster。その中でも、アメリカ・カリフォルニア州のコロナ工場でハンドメイドにより生産されている限定モデルAmerican Acoustasonic Telecaster Exotic Ziricoteを使用。ボディトップ材に希少価値の高いジリコテを採用し、Telecasterを基本としたフォルムながらもフルホロウ構造のボディだ。サウンドホールは特許出願中であるSIRS(Stringed Instrument Resonance System)を組み込み、2種類のピックアップによる多彩なアコースティックギタートーンと、Acoustasonic Noiselessピックアップによるエレクトリックギタートーンは、Modノブでブレンド可能。と、小難しい専門的な言葉になってしまい恐縮なのだが、つまりは、アコースティックギターとエレクトリックギターの音色が融合した、今までにないサウンドを作り上げることができる画期的なギターなのだ。
バンドセットの2曲目は、横ノリの爽やかなポップロックチューン「ローリング・コースター」。安田はディストーションによるリードサウンドでメロディを奏でる。ギターソロは、サスティンが豊かで艶やかなサウンドが印象的。この曲ではリード、バッキングともにエレキサウンドがメインで、太く音の芯が立った力強いディストーションサウンドが魅力的だ。リズムギターの横山裕とのアンサンブルも見事で、さらにキーボードの村上信五、ベース・丸山隆平とドラム・大倉忠義のリズム隊で、パワフルなロックバンドサウンドを構築していた。やはり生音の音圧や音像はライヴならではの体感であり、観客の鼓動に直接響くものがある。後半のバンドセットで、最高潮の盛り上がりとなっていく。
村上のピアノソロでのメロウなフレーズから、8ビートが強調されたリズムでドライブサウンドと変化する「夕闇トレイン」へ。安田のゴリゴリとしたブリッジミュートでのギタープレイが、リズミックで心地良い。力強いバッキングと鋭いサウンドによるオクターブ奏法も印象的だった。
バンドセット3曲目は、ファンも思い入れが深い「BJ」。ゆったりとしたテンポの中、安田がAcoustasonicをクリーンのアコギサウンドでストロークしながら歌う。歌を邪魔しない、切れ味のいいギターサウンドが魅力的だった。
バンドセットラストの6曲目は最新シングルの「喝采」。疾走感のあるアッパーなロックチューンで、再度安田はAcoustasonicに持ち替えると、ストロークをしながら歌い始める。オープンコードでのクリーンサウンドのストロークも、キレイに響いていた。エレキとアコギのミックスサウンドは芯がありつつも抜けが良く、アンサンブルにも厚みがあり、関ジャニ∞の力強いバンドサウンドを見せつけた。
本編ラストは、浴衣姿で歌った「青春FIREWORKS」。この楽曲では800発の花火が打ち上がり、お祭りの最後を盛り上げた。アンコールはシングルメドレーで、会場内をトロッコで移動しながら会場を盛り上げ、「関ジャニ∞ on the STAGE」で『18祭』は終了した。
楽しませる音楽に昇華させた、エンターテインメントいっぱいのステージ。楽曲の演出が見事で、何度笑ったかというほど楽しませてもらった。そう、音楽を楽しく魅せるのが関ジャニ∞のライヴ。72,000人という満員の日産スタジアムでの、お祭りとも言えるアニヴァーサリーイベント。バンドサウンドに圧巻され、次から次へと展開される演出に釘付けにされる、あっという間の3時間だった。