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L’Arc~en~Ciel 30th L’Anniversary TOUR

2021年9月5日(日)の大阪城ホール3Days公演を皮切りに、全国8カ所19公演に及んだL’Arc~en~Ciel結成30周年記念ツアー〈30th L’Anniversary TOUR〉。ファイナル公演は、国立代々木競技場第一体育館4Days。今回は、セミファイナルである12月25日公演の模様を、ギタリストのkenにフォーカスしてレポートする。

センターステージで不朽の名曲たちが躍動。2022年5月には東京ドーム公演2Daysも決定!

会場のアリーナは、花道が十字に伸びるセンターステージで360度観客席となっており、そのステージを囲むように円形のLEDビジョンが設置。オープニングムービーの後、そのLEDビジョンが上がり、メンバーのいるセンターステージが登場。上部にLEDビジョンが配置されるステージセットへと変形していく。

ライヴは、ミステリアスでありダークな世界観を持つ「get out from the shell」からスタート。シーケンスとドラムのビートで歌うhyde。kenはチョーキングでのオブリガードが印象的で、鋭く突き刺すドライブサウンドを奏でる。手にしているギターは今回のツアー後半からメインとして登場した白いStratocaster。本人用に現在開発中のモデルの様で、メイプル指板にボディーと同色に塗装されたマッチングヘッドとゴールドのハードウェアの組み合わせが非常に美しい。透明のピックガードによりピックアップがボディーに直付けされていることが見て取れる。ボディーバックのコンターは無くエルボーコンターは削られ、木部が露出している状態であった。続けざま4thアルバム『True』収録の「Caress of Venus」へ。付点8分のディレイトリックを使ったアルペジオが印象的で、tetsuya(Ba)とyukihiro(Dr)がアンサンブルのボトムを支える中、浮遊感あるkenのアルペジオプレイはこのポップな楽曲において重要なファクター。ギターソロでは、フロントピックアップを使った太く甘いサウンドを響かせる。

「昨年(2020年)の代々木は開催できなかったけど今日はどうでしょうか? 100%(観客が)入っています」と話すhyde。そう、今回の会場は100%の観客数のため、国立代々木競技場第一体育館には1万2000人を超える観客が集結。そして、この日のセミファイナルとファイナル公演が全国の映画館でライヴビューイング中継されているのだ。観客は飛沫防止のため声を出すことができない中、ファンは公式グッズとして販売された7色に切り替えられるバットマラカスライトの鳴り物でリアクション。声を出せないぶん、マラカスの音で手拍子代わりに盛り上げていく。

会場のバットマラカスライトがライトブルーに染まった「winter fall」は、hydeの美しいファルセットから始まる大ヒット曲。ポップながら切なさと疾走感が同居する中、太いギターサウンドでメロウにソロをとるken。続く「flower」ではセンターステージの外周がくるくると回り、ピンクに光るマイクスタンドを持ちながら歌うhydeが会場を爽やかに駆け抜ける。このポップで疾走感がある彼ららしい楽曲は、アルペジオ主体のバッキングとアーミングを駆使したギターソロが魅力だ。

ライヴ中盤、「STAY AWAY」が終わるとステージが回転。そう、このステージセットはメンバーの正面が観客に向くようにステージが回転し、誰もがメンバーと正対できるように配慮。ステージ回転後の「NEO UNIVERSE」では、エッジの効いたバッキングと、フロントピックアップを使ってスライドを駆使したロングトーンのソロが印象に残る。そして、炎の演出が印象深い「花葬」では、コンプがかったカッティング、サスティンが豊かなフロントピックアップでのイントロソロといい、L’Arc~en~Cielらしい切なさと憂いのある世界観で魅了。

シングル曲を中心に構成されたセットリスト。30年間という活動、そしてこれまで発表してきたシングルやアルバム曲の総決算のような、まさに“ベスト オブ ベスト”な選曲である。

ライヴ後半戦、「EVERLASTING」が終わりステージが回転するとkenのギターソロコーナーへ。深いディレイサウンドとボリュームを使ってのバイオリン奏法を聴かせ、そのまま「MY HEART DRAWS A DREAM」へ。ハミングで観客全員がコーラスし、会場全体がひとつにつながった瞬間だった。kenによるクリスマスについてのMCのあとは、アッパーなクリスマスチューン「Hurry Xmas」へ。スケールライクなアプローチを見せるジャジーなソロも、白のStratocasterで披露した。

疾走感あふれる「Driver’s High」で怒涛の終盤へ。ここで、FENDER CUSTOM SHOP製のペイズリー柄のKen Stratocaster Paisley Fantasyが登場。サスティンのある太いリードトーンが印象的で、ハムバッカーのような厚みのある存在感あるサウンドだ。hydeがギターをかき鳴らしながら歌う「HONEY」は、知らない人はいないほどの代表曲だが、ストローク主体のバッキングでスピード感を出すkenはここでもKen Stratocaster Paisley Fantasyを使用し、ワウを駆使したソロでアグレッシヴなプレイを魅せる。

hydeが「30周年のお祝いをしてくれよ」と言って始まった本編ラストは「READY STEADY GO」。縦ノリのビートが心地良いパワーソングで、花道で寝そべりながらKen Stratocaster Paisley Fantasyでギターソロを弾くkenの姿が印象的だった。

インターバルを挟んで、30周年の第一弾となるシングル「ミライ」を披露。観客がスマートフォンのライトで会場を照らす。会場全体が巻き起こしたウェーブがキレイに決まってスタートした最新曲「FOREVER」、1stアルバム『DUNE』収録の「As if in a dream」へと続き、kenはリアピックアップによるヌケの良いギターサウンドを轟かせて聴衆を魅了する。

hydeは「30年前の曲でときめくことができるのは嬉しいものですよね。最後は『虹』を奏でたいと思います」と、ラストは1997年リリースの7thシングル「虹」を披露。哀愁のあるアルペジオから始まり、ドラマティックかつ色彩豊かな音世界で会場を包み込んだ。 さて、ファイナル公演となった12月26日終演後、会場のビジョンにて2022年5月21日(土)22日(日)東京ドームにて〈30th L’Anniversary LIVE〉を開催することを発表したL’Arc~en~Ciel。30周年のイベントはまだまだ続くが、東京ドーム公演でkenはどのようなギターを弾くのだろうか。こちらも楽しみである。

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【SET LIST】

1. get out from the shell
2. Caress of Venus
3. X X X
4. winter fall
5. flower
6. metropolis
7. DAYBREAK’S BELL
8. STAY AWAY
9. NEO UNIVERSE
10. CHASE
11. 花葬
12. EVERLASTING
13. MY HEART DRAWS A DREAM
14. Hurry Xmas
15. Driver’s High
16. HONEY
17. READY STEADY GO
18. ミライ
19. FOREVER
20. As if in a dream
21. Link
22. 虹


L’Arc~en~Ciel : www.LArc-en-Ciel.com/

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