My Original Playlist | TAXMAN(THE BAWDIES)

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ロックの黎明期のサウンドを今に轟かすTHE BAWDIES。そんなTHE BAWDIESの核となるブルース、ガレージロックを、ギタリストのTAXMANが選曲してくれました。しかもその選曲を通して、ブルースやガレージロックの魅力も熱く語ってくれています。さらに、15年ほどロックを聴き続けてきたTAXMAN自身の身に起きている変化も激白。ロックで熱くなりたければ、この曲たちを聴け!


ソニックスを聴いた時のショックはすごかったです“何なんだ、この生々しさは!”って

 

―  選曲してもらった曲はTHE BAWDIESの世界観の核になる曲たちですね。いわく、ブルースがベースにあるのですが、ソニックスに代表されるようなガレージ&ローファイな音質。最近で言えば、まさに挙げていただいている、ザ・ブラック・キーズ 、サンダー・ビッチです。ブレないですね!

TAXMAN   そうですね(笑)。やっぱりずっとこういう音楽が好きですね。最近のバンドは正直あまりチェックしてないんですけど、ブラック・キーズやサンダー・ビッチなどがラジオから流れてくると“おっ、何だ何だ”ってなります。結局そういう音楽に食いついちゃいますね。今も昔も変わらずずっとそうです。

―  THE BAWDIESの世界観の一番の核になるのは、やはりソニックスですか?

TAXMAN   はい。ソニックスです。僕というかTHE BAWDIESの原点です。ソニックスがきっかけでブラックミュージックも掘っていったし、アメリカの他のガレージバンドも掘っていきました。ロックバンドを聴く人って、イギリスからいく人が多いじゃないですか。僕らはガレージから入ったので、最初にアメリカで、それから“イギリスにもカッコいいバンドいるらしいよ”って感じで、あとからザ・ビートルズやローリング・ストーンズやザ・キンクスにもハマったんです。

―  なるほど。すべての礎となるソニックスとの衝撃の出会いはいつだったんですか?

TAXMAN   僕らTHE BAWDIESは今34歳なんですけど、ソニックスに出会った時は、高校の終わりくらいだったので、2000年とか99年ですね。高校の時から今のメンバーとずっとバンドをやっていて、その時にザ・ストロークスとかザ・ホワイト・ストライプスとかザ・リバティーンズがバッと出てきた、ガレージリバイバルブームがちょうど来ていたんです。そのガレージリバイバルの元ネタ的に、ソニックスもお店とかで流れていて、それで知りました。

―  ソニックスみたいな音って思春期に食らうと完全にヤラレますよね。で、改めてプレイヤーという立ち位置から見て、ソニックスのようなザラザラしたいわゆるローファイなガレージロックの音の魅力って何だと思いますか?

TAXMAN   生々しさとか泥臭さですね。でもそういう音って、僕らが高校の時には全然主流ではなかったんです。当時は今よりもっとデジタルを志向していた時代でしたから。そういう時代の中で、ソニックスを聴いた時のショックはすごかったです。“なんなんだ、この生々しさは!”っていう今まで体験したことのない衝撃でした。

―  わかります。

TAXMAN   しかも、実際にやってみると、ただアンプ歪ませてもああいう風にならないんです。つまり、それって人間そのものってことなんですよね。だから、彼らのギターの音からでも“きっとコイツはこんな性格なんだろうな”みたいなのが感じられる。でも、最近のバンドだったり音楽って、そのバンドの内面、性格が見えてこないですよね。ギターヒーローもそんないないし。“ギターをコピーしたいな”って思わせてくれるような音が、自分的には最近ないんです。でも、昔のこういう音楽って“やってみたい”とか“生で聴いてみたい”って感じさせてくれるんです。



―  なるほど。そのソニックスから始まったディグの末に辿り着いたブルースでも、マジック・サムが好きというのもTHE BAWDIESらしいなぁと。

TAXMAN   バディ・ガイとかマジック・サムって、もちろんモダンなこともやっていたりするんですけど、結構荒々しいんですよ。ブルースというかロックンロールみたいな感じですからね。

―  ピックアップしてくださっているマジック・サムの「Sweet home Chicago」なんてかなりファンキーですよね?

TAXMAN   そうなんですよ。「Sweet home Chicago」っていろんな人がやっていて、僕はブルース・ブラザーズが好きなので、あの感じもいいんですけど、ファンキーかつロックな感じがするマジック・サム・ヴァージョンに惹かれてしまいます。

―  で、それって何なんだろうなぁって。

TAXMAN   逆に言ったら、それが何なのかを知るために未だに音楽を聴き続けているのかもしれませんね。自分はそこにはまだ至ってないんだろうなって思いますし、だから余計気になっちゃうというかカッコ良く感じちゃうんでしょうね。



―  でも、その何だかわからないものをTHE BAWDIESも放っているわけですが、何か意識していることはありますか?

TAXMAN   ロックミュージシャンって謎めいてることがカッコいいというのはもちろんあるんですけど、こういう人たちって謎めいてなくて、自分を本当にさらけ出しているんですよね。そういうところがカッコいいなと感じているので、僕らも自分たちをさらけ出して全力で楽しんでいますし、そこはソニックスとかそういうバンドやアーティストから影響を受けている部分なのかなと思います。あと、ソニックスを実際に日本に1回呼んだことがあるんですよ。もう何年も前ですけど。その時すでに60歳後半くらいで、リハとか結構ヨボヨボで“大丈夫かな?”と思ってたら、本番ですごいライブをしてくれて。全然変わっていなかったです。高齢なのに全力で、あとのことを考えていない感じが満載でした。明日もライブだけど明日のことは置いておいて、今を思いっきりやろう!みたいな感じがすごく伝わってきて。そういうところもTHE BAWDIESも影響を受けている部分ですね。

―  THE BAWDIESのサウンドとは別に、TAXMANさんのギタリストとしてのルーツミュージックはどのあたりになるんですか?

TAXMAN   そこを挙げるのを忘れてました(笑)。ギタリストとしてはジミ・ヘンドリックスとスティーヴ・クロッパーです。ジミヘンは高校の時に初めて聴いてすごい衝撃を受けました。“なんだ、この人は!”“ギターが喋ってる!”と思って、とにかくこんなギターを弾きたいって憧れたので、僕が最初に使っていたギターはストラトなんです。ただし、ジミヘンがどういう仕様のギターを使っていたかがよくわからなかったので、とにかくジミヘンが持っていた白いストラトを買おうと思って買いました。で、僕は今メインギターにテレキャスを使っているのですが、テレキャスと言えばスティーヴ・クロッパー。クロッパーがストラトを弾いているサム&デイヴの「Soul Man」は大好きです。



―  そのギターや機材に対しては今どう感じていますか?

TAXMAN   僕らもヴィンテージ機材は好きなバンドだと思いますし、今でもオールドな音がするものが好きです。でも、そういう音をずっと追求していたら、自分たちの中に50〜60年代のロックンロールが自然と吸収されていて、例えば新しい楽器だったとしても勝手に50年代や60年代の匂いが出ることに気づいたんです。

―  ソニックスのように人として音を鳴らせばいい段階にやってきたんですね!

TAXMAN   まだまだですけど、ちょっとだけそういう感じになってきたのかもなって思います。今だから新品のきれいなギターを使っても、ちゃんとTHE BAWDIESの音を出せる自信がどこかにあったので、ライブではAmerican Original 50s Stratocaseterを使っています。おかげでサウンドの幅が広がりました。あと今年は結成15周年目、デビュー10周年目に向かっていく年でもあって、4月にベストアルバムを出すのですが、そのベスト盤の中に1曲新曲も入っていて、その曲ではストラトを使って、昔だったら絶対こんな音造りしないな!っていうことをやっています。そういうチャレンジが最近すごく増えているから、僕らもこれからが楽しみです。


【TAXMANのMy Original Playlist】


  • 1.The Sonics / Cinderella
  • 2.MC5/ Kick Out the Jams
  • 3.The Kinks / You Really Got Me
  • 4.The Rolling Stones / Brown Sugar
  • 5.The Yardbirds / I’m not talking
  • 6.Magic Sam / Sweet Home Chicago
  • 7.The Black Keys / Lonely Boy
  • 8.Jimi Hendrix / Hey Joe
 

THE BAWDIES
小学校からの同級生のROY(Vo,Ba)、JIM(Gt,Cho)、MARCY(Dr,Cho)と高校からの同級生、TAXMAN(Gt,Vo)によって2004年1月1日に結成。唯一無二の圧倒的なボーカルを武器に、メンバーが敬愛するリトル・リチャード/レイ・チャールズに代表されるリズム&ブルース/ロックンロールのルーツを昇華した楽曲、誰もを楽しませてくれるライブが各地で噂を呼ぶ。

4月18日には初のベスト盤『THIS IS THE BEST』をリリース! インディーズ時代の楽曲から書き下ろしの新曲まで、転がり続けるTHE BAWDIESの軌跡を完全収録。さらに、メジャーデビュー記念日にあたる、 4月22日(日)新木場STUDIO COASTを皮切りに5年ぶりの全国47都道府県ツアー「Thank you for our Rock and Roll Tour 2004-2018」の開催が決定!
› THE BAWDIES OFFICIAL WEBSITE | http://thebawdies.com


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