SESSIONS in TOKYO | w.o.d.

楽器は練習すればするほど、向き合えば向き合うほど応えてくれる

フェンダーを愛する個性的なアーティストたちが繰り広げる、セッションにフィーチャーした「Fender SESSIONS in TOKYO」。第7回は、圧倒的な音楽センスとライヴパフォーマンス、ビジュアルワークで人気を博している神戸発の3ピースバンドw.o.d.を迎え、昨年12月18日にFender Flagship Tokyoにて「FenderNews Public Shooting with w.o.d. at Fender Flagship Tokyo」と題した公開収録を実施! Vintera IIシリーズの音色と熱量の高いセッションに酔いしれた、その模様をお届けする。


Vintera II 50s Jazzmasterはオールマイティだけど個性があるギター

──まずは演奏の感想を聞かせてください。

サイトウタクヤ(以下:サイトウ) 状況は違えども、演奏が始まると場所は関係なく楽しくやれた気がします。今回、竿ものはすべてフェンダー。ギターとベースという楽器の主要部分をフェンダーにしての演奏は、バンドとして初めてだったから気合いも入ったし満足のいく演奏になりました。

Ken Mackay(以下:Ken) 俺、フェンダーを所有するのは今回が初めてなんですよ。音もめっちゃ良かったし、楽しくやれました。

──本日、公開収録の場所はFender Flagship Tokyoですが、ここに来たのは初めてですか? 館内をご覧になった印象も教えてください。

サイトウ 以前、チラッと見学させていただいて、その時に今日弾いているギター(Vintera IIシリーズ)を試奏したんです。ここFender Flagship Tokyoは試奏のハードルが低いのがいい。椅子が用意されていて、手に取ってすぐに弾けるのが本当に良くて。楽器店での試奏、いまだに嫌やねん。恥ずかしい。店員さんに声を掛けて“あれ弾かせてもらってもいいですか?”という一手間があるし、試奏で何(のフレーズ)を弾くか問題があるから。それがなくて最高やなって思いました。

──Kenさんは?

Ken Fender Custom Shop専用のフロアが最上階にあるんですけど、まず部屋がすごかったね。

サイトウ やばかった! キンキラキンのギターも展示されていて博物館的でもあったし。

Ken すっごい高価なギターとベースが上に吊してあったりするんですけど、いつかああいうのを買ってみたいです。

──中島さんはドラマーなので、こちらに来たのは今日が初めてですか?

中島元良(以下:中島) 初めてです。めっちゃおしゃれでキレイだし、あとは真っ赤なエレベーター!! すごかったです。あれでミュージックビデオが一本撮れそうですよね(笑)。

Vintera II 50s Jazzmaster(Desert Sand)

──さて、今日のライヴで使用したフェンダーのVintera IIシリーズについて聞かせてください。サイトウさんはもともとStratocasterを弾いていますが、今回はVintera II 50s Jazzmasterをチョイスしました。選んだ理由を教えてください。

サイトウ Vintera IIシリーズのストラトもテレキャスもひと通り弾かせてもらったんです。で、楽器を選ぶ時の要素として見映えが最優先なんです。Vintera II 50s Jazzmasterの統一されたカラー、めちゃくちゃカッコ良くないですか? あとはJazzmasterを持ったことがなかったので弾いてみたかったんです。今回初めて弾いてみて、ずっと弾いてきたかと思うくらい馴染むんですよね。Jazzmasterってけっこう音が暴れるんですよ。w.o.d.も音が“ウワーン”って暴れるから馴染んだ感じです。

──毒を以て毒を制すみたいな感じですか(笑)。弾きやすさはどうですか?

サイトウ めちゃくちゃ弾きやすいですね。あと、あまり新品のギターを買ったことがないのですが、これはもちろん新品だけど馴染むんですよ。

──すでにけっこう弾いてくれているんですか?

サイトウ 普段のスタジオで使っています。俺の中でJazzmasterはオルタナティヴロックのギターですが、どうやって弾いても俺の知っている“あの音”になるんです。ダイナソーJr.とかマイブラ(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)とか、ちゃんと暴れてくれるロックなギターやと思います。

──90年代以降のオルタナが好きな人にとってはたまらない一本?

サイトウ そうですね。最高やと思います。

──ストラトとの使い分けは?

サイトウ 普段使っているストラトは、パワーがあってずしっと重みがあるんです。もちろんストラトはいいギターなので全部の音がちゃんと出るんですけど、私のストラトは音がバンッ!ってパワフルに鳴るんですよ。ブワーン!って感じにしたい時はこのJazzmasterを使います。

──このVintera II 50s Jazzmasterはどんな人にオススメですか?

サイトウ 実はJazzmasterってオールマイティなんですよ。クリーンで弾いてもいい音だし、歪ませたら悪めの音を出してくれるから何でもできるんです。でも俺の中では、デカい音で暴れるサウンドを出したい人にオススメですね。

──今後どのような使い方をしてみたいですか?

サイトウ キャラクターがはっきりしているギターなので、このギターで曲を作ると他のギターでは弾けないだろうなぁって思うんです。だから、これで個性の強い曲を作った時は絶対にこれで弾くことになるのかなと。矛盾しているかもしれないけど、オールマイティやけど個性があるギターですね。

Vintera II 60s Precision Bass(Olympic White)

──KenさんにはVintera II 60s Precision Bassを弾いてもらいました。初めてのフェンダーということで、ルックスも含めて感想を教えてください。

Ken ルックスから最高ですね。60sという名前がついているだけあって渋さが見た目に出ているし、めっちゃ弾きやすい。ネックの太さもちょうどいいです。普段はピック弾きですけど、指弾きやスラップをしたくなるベースです。

──音はどうですか?

Ken いつもは歪みがメインでクリーンはあまり使わないけど、めっちゃいいクリーンの音だなと思いました。だから、バラードとかゆっくり目の曲で使いたいですね。初心者からプロまで全員に扱いやすいベースだと思います。

──今後、どのように使ってみたいですか?

Ken 曲によると思いますが、ライヴでもレコーディングでも使っていきたい一本やと思いました。

──ドラムの中島さん的にはどうでしたか?

中島 前の二人が普段使っている竿と異なるとやりづらい場合もあるけれど、全然そんなことはなかったです。二人もやりやすいんだろうなって感じがしてしっくりきました。違和感なかったです。


フェンダーは定番だけど常に新しいことにもチャレンジしている

──それぞれ楽器を始めたきっかけを教えてください。

サイトウ 母親が持っていたフォークギターがずっと家にあったんです。小学生の時は弦が硬くて弾けなかったんですけど、中学生の時に兄がエレキギターを買ったんですよね。それこそStratocasterやったと思うんですけど、それが羨ましくて俺もギターを買ってもらったのがきっかけです。

Ken 俺は中学の時にサイトウと出会って、“バンドを組みたい”ってずっと言ってたんですが、“何かお前はベース”って言われたんですよね。何でですかね。そのタイミングでちょうど友達の叔父さんがベースの初心者セットを譲ってくれることになって、そこからベースにどっぷりハマりました。

中島 僕は高校生の頃に音楽室からドラムの生音が聴こえてきて、カッコいいなと思って始めました。

──今日集まってくれたお客さんの約半数が楽器をやっているようなのですが、こだわりやオススメの練習方法があれば教えてください。

Ken YouTube世代だから、YouTubeでベースの動画を見たりひたすらコピーしてました。レッド・ホット・チリ・ペッパーズが大好きだったので、レッチリのベースを朝から晩までご飯も食べずにひたすら練習してました。

サイトウ 同じ感じかな。やっぱりコピーが多くて、YouTubeにライヴ動画がたくさん上がっているので、どうにか演奏している手元の動画を探したり、ライヴを見比べてどういう音作りをしているのか自分なりに研究しました。飯も食わずにずっとギターを弾いてましたね。

──中島さんも…。

中島 ご飯は食べずに練習したほうがいいっすね。

──(笑)。フェンダーというブランドに対するイメージを教えてください。

Ken それこそレッチリのフリーもクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのマイケル・シューマンもフェンダーを使っているし、尊敬しているベーシストはみんなフェンダーを使っていて。だから今回を機に自分もフェンダーを使いたいと思いました。

サイトウ すごく歴史があってヴィンテージギターもいっぱいあるし、憧れのミュージシャンもみんな使っている。いわゆる定番のブランドだけど、常に新しいことにもチャレンジしているイメージがありますね。

──w.o.d.の音楽も、昔をオマージュしているけど進化も感じるので似ている気がします。

サイトウ そんな気がしますね。本当にいいものは残り続ける。音楽も一緒で、俺らの場合はいろいろな音楽を聴いてきてそういう場所に辿り着いた気がします。

──さて、w.o.d.は11月1日にシングル「陽炎」をリリースして、4月にはイベント〈w.o.d. presents “TOUCH THE PINKMOON”〉を開催しますが、インフォメーションしたいことがあればお願いします。

サイトウ 毎年4月に自主企画として〈TOUCH THE PINKMOON〉をやっているのですが、ワンマンとか対バンイベントとは別で“パーティーしようぜ!”という感じで、音楽が大好きな人には来てもらいたいのでみんな来てください!

──最後に、これから楽器を始めたいと思っている人へメッセージをお願いします。

サイトウ 俺らの場合は職業になっていますけど、こんなに楽しいものはないんじゃないですかね? いまだに中学生の頃に、家でアンプのボリュームをデカくしてビャーン!って弾いた時の感動は覚えているし。練習すればするほど、楽器と向き合えば向き合うほど応えてくれるのが最高ですね。いろいろな趣味や自分の好きなことがあると思うんですけど、やっぱり一方向のものが多いと思うんです。映画を観るとか本を読むとか。でも楽器って、実はコミュニケーションがあるんです。それで自分の気持ちを表現したり解消できたりするから、とにかく全人類楽器をやったほうがいいと思います。ぜひ、やってください。

中島 楽器をやるなら早いほうがいいですよ。だって長い時間できるし、たくさんやったほうが楽しくなります。

Ken 楽器を始めると人生が豊かになると思いますね。いろいろな感情だったり…それはいいものばかりじゃないと思うけど、悪いことも一緒に経験して成長していける。ぜひ楽器はやったほうがいいし、そのほうが世界は良くなるとマジで思います。なので、ぜひ楽器を始めてみてください。



w.o.d.
サイトウタクヤ (Vocal&Guitar)、Ken Mackay (Bass)、中島元良 (Drums)からなる神戸発の3ピースバンド。圧倒的な音楽センス・ライブパフォーマンス・ビジュアルワークで、類い稀なオリジナリティを見せつける、ネオ・グランジ・バンド。3ピースで鳴らす、時に感情的にシャウトするボーカルと歪んだギター、鼓膜を瞬時に捉えるヘヴィなベースに、抜群のビートが息づくドラムス、極限まで研ぎ澄まされた有無を言わせぬグルーヴ。音楽番組「バズリズム」の「これがバズるぞ2023」で 4位にランクインし、タワーレコードの「タワレコメンアワード 2022」に入賞するなど、飛躍が期待される。2023年4月には中野雅之 (BOOM BOOM SATELLITES / THE SPELLBOUND)によるプロデュース楽曲「 My Generation」を配信リリース。夏には TVアニメ『 BLEACH 千年血戦篇 -訣別譚 -』オープニングテーマに起用された新曲「STARS」をリリースし、現在全世界で500万ストリーミングを突破。各地大型フェスへ出演。大きな話題を集めている勢いそのままに、11月に新曲「陽炎」を配信リリース。
https://www.wodband.com/

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