Signature Model Interview | Chilli Beans. -前編-

芯がしっかり鳴ってくれるから、どっしりと支えてくれる

等身大で自由に表現される楽曲とライヴで人気を集めている“チリビ”ことChilli Beans.のシグネイチャーモデル、Chilli Beans. Moto Mustang、Chilli Beans. Lily Cyclone、Chilli Beans. Maika Mustang Bassがフェンダーから発売された。それぞれに楽しくやることをモットーに、自由闊達な活動を続けてきたチリビらしさが形になったとも言えそうだ。インタビューの前編ではシグネイチャーモデルに込めた思いを、Moto(Vo)、Lily(Gt,Vo)、Maika(Ba,Vo)の3人に聞いた。


Chilli Beans. Lily Cycloneなら自分の好みの音色を探せる(Lily)

──シグネイチャーモデルのオファーをもらった時、どんなふうに感じましたか?

Lily シグネイチャーモデルを出せる人生だとは思ってなかったから。

Moto びっくりした。みんな、びっくりしました。

Lily うん。ほんとに。

Maika そんなことがあるんだみたいな。憧れのアーティストが出してたから、すごいものだと思ってました。っていうか、すごいことですよね。シンプルにすごすぎて、最初はちょっと実感が湧かなかったです。

──Chilli Beans.が憧れられる存在になったということではないですか?

Lily そうなんですか? 楽しくできているとは思います。(笑)

Moto うん、そんな感じ。

Maika 自然な感じで、自分たちらしく音楽ができている感覚はあります。

──シグネイチャーモデルの開発にはどんなふうに取り組んでいったのですか?

Maika 最初にシグネイチャーモデルのお話をいただいた当時、ベースを弾き始めてまだ3年ぐらいだったんですけど、もともとギターを弾いていたせいかベースがとにかく大きく感じられたので、もうちょっと小ぶりのベースがいいと思って、昔から形が好きだったMustang Bassを選びました。ただ、音はJazz Bassの音が好きだったから、Mustang Bassの形でジャズベのピックアップにしたいなっていうところから私のベースはスタートしました。

──皆さん、これまでメインに使っていたものとは違うモデルを選ばれているんですよね。

Lily フェンダーさんのショウルームでいろいろ見せていただいたんですよ。

──MotoさんがMustangを選んだ理由は?

Moto Telecasterは持っていたから違うのが欲しいと思ってMustangにしたんですけど、自分だけのギターを考えていて、真っ黒ってあんまりないのかなって思ってこれにしました。最大のこだわりポイントは、指板にポジションのノートをアルファベットで入れたことです。ネックを押さえる時、こういうのがあったらわかりやすいと思って入れました。自分も助かるけど、ギターを始める人はこれを買ったら便利だと思います。

──LilyさんはCycloneですね。

Lily 単純に形がかわいいなって思ったのと、ずっとシングルコイルのストラトを使ってきたけどハムバッカーも好きだから、1本のギターで切り替えられたら最高なんじゃないかと思って。これ、タップスイッチのプッシュ/プルでハムとシングルの切り替えができるんですよ。ギターを始めたばかりの時って、自分がどういう音色が好きなのかわからないじゃないですか。だからって楽器をいくつも買うのは難しいと思っていたので、Chilli Beans. Lily Cycloneなら自分の好みの音色を探せるのかなって思いました。


見た目に反して音が太くて、初めて弾いた時にびっくりしました(Maika)

──お話を聞かせていただいて、皆さん初心者でも使いやすいというところをすごく考えているように感じました。

Maika 最初にそういうコンセプトもありました。初心者でも手に取りやすいモデルを作りたいというご提案をいただいたんですよ。

──価格も他のシグネイチャーモデルに比べてお手頃だそうですね。Mustang、Cycloneともに小ぶりなモデルなので、初心者の中でも女性向けというところを意識しているんですか?

Maika いえ、そこはそんなには。

Lily 私、たまにベースを弾くんですけど、やっぱりボディがでかいとびっくりしちゃうから、これ、めっちゃいいって思います。欲しいって感じになる。

Moto うん、私も欲しい。

Lily 楽しめる感じがします。

Maika 嬉しい! もともとギターだったから、ベースを弾き始めた時に弾きづらかったのもすごく覚えてるんですよ。このベースなら男女問わず始めやすいと思います。

──音を鳴らしてみていかがでしたか?

Lily パワーもあるし、エフェクターの数をそんなに揃えなくてもChilli Beans. Lily Cycloneだけで自由に音を出せるから楽しいと思います。

──Motoさんは?

Moto 自分のソロプロジェクト、mo-niの曲「good morning me」を録った時、家にChilli Beans. Moto Mustangのプロトタイプがあったから使ったんですよ。音色がすごくクリアで優しめに感じました。その時に使いやすいと思いました。ボディが小さいから。

──取り回しがしやすいと。Maikaさんは?

Maika ミッドがしっかり鳴るんですよ。見た目に反して音が太くて、初めて弾いた時にけっこうびっくりしました。もともと使っているジャズベよりもパワーもあって、ライヴでは「yesterday」や「escape」で使ったんですけど、ミッドがすごく鳴ってくれる分、ラインもわかりやすくて。でも、うるさくないんです。芯がしっかり鳴ってくれるから、どっしりと支えてくれる。かなりお気に入りです。レコーディングでも、今後、かなり使っていけそうだなって思ってます。最初はボディが小さいから、もともと使ってるジャズベよりも音は軽くなるのかなって想像していたんですけど、全然そんなことはなかったですね。

──ピックアップがジャズベだからというのもあるかもしれないですね。Lilyさんはどんな場面、あるいはどんな曲で使っていきたいですか?

Lily 私もライブの時、「tragedy」って曲で使ったんですけど、いなたすぎず、きれいすぎない感じの、いいバランスの音が出る気がしたので、そういう振りすぎない曲で使ったらいいのかなと思ってます。


──さて、Chilli Beans.のシグネイチャーモデルはどんな人に使ってほしいですか? 初心者でも手に取りやすいモデルということを念頭に、ご自身がこんなギター、ベースがあったらいいなというものを作ったと思うのですが、結果、初心者だけにとどまらず上級者でも使えるモデルになったと思います。

Moto いろいろな人に楽しんでもらえたらいいですね。そう思わない?

Lily 思う思う。

Maika そうだね。いろいろな人に手に取ってもらえたら嬉しいですね。

Chilli Beans. Lily Cyclone | Chilli Beans. Moto Mustang | Chilli Beans. Maika Mustang Bass

Fender x Chilli Beans. Strap | Fender x Chilli Beans. Signature Pick

>> 後編に続く(近日公開)


Chilli Beans.
2019年結成。Moto(Vo)、Maika(Ba,Vo)、Lily(Gt,Vo)による3ピースバンド。作詞・作曲・編曲やクリエイティヴまでをメンバー自らで手掛け、ジャンルに捉われず幅広い“チリビ”の世界観を作りあげ、等身大で自由に表現される楽曲やライヴパフォーマンスで人気を集めている。2021年リリースの「lemonade」はSpotify「バイラルトップ50(日本)」でデイリー1位、2023年リリースの「rose feat. Vaundy」はBilboard JAPAN「Heatseekers Songs」で2度にわたり1位を記録。2023年リリースの「Raise」はTVアニメ『ONE PIECE』エンディングテーマにもなり世界各国でのリスナーも急増中。2025年6月リリースの「tragedy」は専門学校 モード学園(東京・大阪・名古屋)の2025年度TVCMソングに決定。7月リリースの「ひまわり」はアニメ『地獄先生ぬ〜べ〜』のエンディングテーマにもなっている。更に10月8日リリースの「that’s all i can do」はTBS火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の挿入歌に決定。2025年5月には全国7都市にて「upside down tour」を開催。2026年1月からはワンマン&対バンツアー「Chilli Beans. “good days tour”」を開催。
https://chilli-beans.com/

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