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Cover Artist | PORIN、atagi、モリシー(Awesome City Club)-前編-

Telecasterはギターの“根元”の音がするんです

映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソング「勿忘」が、3カ月足らずでストリーミング1億回再生を突破。多彩な音楽ジャンルを、魔法のように混ぜ合わせた抜群のセンスで人気急上昇中のAwesome City Clubが、FenderNewsのCOVER ARTISTに登場。インタビュー前編では、3人のギターとの出会いやフェンダーの魅力について話を聞いた。

ライヴハウスのホストバンドでStratocasterを弾いて、それからブルースに目覚めました

― まずはギターを始めたきっかけから教えてください。

モリシー 小学校5年生の時、ドラマ『ガラスの仮面』がやっていて主題歌がB’zの「Calling」だったんです。そのMVで松本孝弘さんが雨に打たれながらギターを弾いているのですが、それを観てギターを弾きたいと思って“母ちゃんギターやりたいわ!”って言ったのがきっかけでした。

― それまで楽器の経験は?

モリシー エレクトーンを弾いていました。でも、そこまで音楽に興味がなかったんです。ギターを始めたもののバンド活動はしていなくて、高校3年生くらいの時に遊びに行っているライヴハウスのホストバンドに入って。その時にStratocasterを弾いて、それからブルースに目覚めましたね。

― バンドスタートじゃなかったんですね。

モリシー そうですね。高3の時にちょろっとバンドをやっていましたけど、そんなに長続きもせずフラフラとしていました(笑)。人と演奏しに行ったり、バーのセッションに行ったり。大学4年生の時、オーサムをやる前に組んでいたバンドがあって、それに加入してから本格的に楽器を弾くようになりました。

― atagiさんがギターを始めたきっかけは?

atagi ベタ中のベタなんですけど、親父がギターを弾いていて、家にアコギが置いてあったんです。大事にしているアコギだったので、“絶対に触るなよ”って釘を刺されて。小学校4〜5年生くらいからだんだんギターに興味が出てきて、触るなと言われているけどちょっと触ってみようかなって。でも、その時はギターを弾きたいという感じではなく、ある種おもちゃとしてギターを触ってみたい、どんな音が出るんだろう?っていう感じで。それから、親のギターをおもちゃにしている期間が1年くらいありましたね。ちょいちょい親からも怒られつつ、そのうち親も観念して、“これで曲の練習をしてみたら?”って歌本を渡されて。自分の知っている曲を、弾き語りでポロンポロンってコードを追って弾いていました。それが小学校5〜6年生くらいです。

― なるほど。

atagi で、中学校に入ってからようやく、どうやらアコースティックギターとエレキギターは役割が違うものらしいと(笑)。自分が出したい音はエレキだと知って、それからエレキギターが欲しくなり、実際にギターを弾きたい欲が加わってきました。そのタイミングで通販の安いエレキを、お小遣いとかお年玉を貯めて買うつもりだったんですけど、それを察した親がアンプ内蔵ギターを買ってきてくれて(笑)。エレキギターに触ったのはそれが初めてです。

― PORINさんは?

PORIN 小さい頃はずっとピアノを習っていたんです。中学校に入ってからバンドを聴くようになって、私もバンドをやりたいなと中2の時にギター教室に通ったんです。それでフェンダーのストラトを初めて買ってもらって。ギターはそこからですね。

― バンドをやってみたいと思ったきっかけは?

PORIN チャットモンチーさんとかRADWIMPSさんとかBUMP OF CHICKENさんがすごく好きで。陸上部だったんですけど、バンドもやりたかったのでまずはギターを習おうと思って、ギター教室に通うようになりました。

― そのあと、ギターから離れてしまったんですか?

PORIN いえ、ずっと弾いています。でも、オーサムでは弾いていないので。

atagi オーサムでも弾いてるやん!

PORIN 今はまた戻ってきたね。この間、一度ライヴで弾きました。ライブと言えば、19歳ぐらいの時にはアコギ弾き語りで路上ライヴをしていました。

― 憧れの人がいたんですか?

PORIN 特にいなくて。大学に通っていたんですけど、就職したくないなと思って。当時、路上ライヴが流行っていたんですよ。家から一番近い栄えてる場所に出掛けて行って、一年間毎日やっていました。それから新しい出会いが増えて、結果的にこのメンバーと出会えたんです。

― 路上ライヴは一人で?

PORIN 一人でやっていました。警察に注意されたり、怪しげな自称プロデューサーさんに100万円払ったらレコーディングさせてあげるよって騙されそうにもなったり(苦笑)。でも、やって良かったなって思います。

テレキャスやストラトを買えばあの音が出るんだと、高校生の時にテレキャスを買いました

― PORINさんは最初からフェンダーのギターだったようですが、モリシーさんとatagiさんのフェンダーとの出会いは?

モリシー 僕は高校か大学の時に、たぶん97年製のStratocasterを中古楽器屋さんでお年玉で買ったんですよね。今でもレコーディングで使っています。

― なぜストラトを?

モリシー ジョン・メイヤーの影響は大きかったと思います。僕が高1の時、オーストラリアに短期留学していて、その時にジョン・メイヤーの1stアルバム『ルーム・フォー・スクエア』が出たんですよ。めちゃめちゃ街中で流れていて、仲間から“ストラトを使っている”という話を聞いていましたから。

― atagiさんは?

atagi 高校に入ると、ファンクの要素が入ったミクスチャーが流行ったんです。レッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)ですよね。ジョン・フルシアンテのギターの音を聴いて、何だあの音!?って。カッティングがキラッとしてて、めちゃくちゃエッジーで、フェンダーのテレキャスやストラトを買えばあの音が出るんだと。で、高校生の時に日本製のテレキャスを買いました。結果的に、僕はずっとTelecasterが好きで使っています。

― そのTelecasterの魅力を語るとすると?

atagi ギターの“根元”の音がするんですよね。痩せる音にもなるし、ノイズも乗りやすかったりすると思うんですけど、自分にとっては一番ナチュラルに響く楽器だと思っています。リア、フロント、センターと、3つのピックアップポジションしかないのもすごく魅力的で。そういう直球系なところにロマンがあると思います。

― 今、フェンダーのTelecasterは何本持っていますか?

atagi 2本です。

― ヴィンテージではなく現行品を?

atagi 現行品です。ヴィンテージも欲しいのですが、今やっている音楽には現行品のほうが合うんです。ちゃんとお行儀よく音が出てくれないと、埋もれちゃうような音楽をやっているので。

― さて、今日試奏していただいた楽器の感想をお聞かせください。モリシーさんはAmerican Acoustasonic Jazzmasterですが、すでに現場で使用しているんですよね?

モリシー はい。すでにいろいろな場面で使用しています。宅録や“デモにアコギを入れてください”って時に使ったり。あとは、見た目が最高なのでライヴでも使っています。「夜汽車は走る」というガットギターでバッキングしている曲で、ちょっと甘めのトーンを出しています。あとは、アコギをマイクで録るよりは、ラインで一発解決!みたいな時に使ってて。気が変わったらエレキの音で、ちょっとオーバードライブを加えたりっていう遊びもできるので、そこは臨機応変に使っていますね。

― atagiさんにはもちろん、American Professional II Telecasterを弾いていただきました。

atagi 実は、ローズウッド指板のTelecasterってめっちゃ好きなんですよ。今、メインで使っているテレキャスの指板はメイプルなんですけど、ローズウッドってメイプルよりも硬い音が出るイメージ。あと、速さがほしい時にローズウッドのテレキャスが一番いいなと思っていて。実際、これめっちゃいいですね。速さもあるし、音のノリの豊かさもある。指板の模様まで素晴らしいです。

モリシー 俺もそれ使いたい(笑)。カッコいい!

PORIN ライヴで使いますか?

atagi 使います! 確かに行儀が良いというか、すごくキレイに素直に音が出るんですけど、1年以上使うと自分なりの使用感が出てきそうなので楽しみですね。

― PORINさんはAmerican Acoustasonic Telecasterです。

PORIN かわいい! 軽いです。そして、この色もすごくかわいいです!

モリシー 似合うね。

PORIN かわいいんだけど!

atagi やっぱり女子の“かわいい!”のほうが説得力ありますね。うんちくを語るより(笑)。

PORIN 実際にすごく弾きやすいです。あと、軽いのでライヴ中も自由に動けそうです。

atagi ライヴでも使いますか? PORIN はい! 弾き語りもできちゃいますね!

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Awesome City Club

「眠れない街オーサムシティ。
夢を求め集うこの街に、今日もオーサムミュージックが溢れ出す。
Awesome City Club 、僕らが聴かせたい人達はこの街のどこかにいる。」

2013年、東京にて結成。ポップス/ロック/ソウル/R&B/ダンスミュージック等、メンバー自身の幅広いルーツをMIXした音楽性を持つ、男女ツインヴォーカルの3人グループ。2015年4月に1stミニアルバム『Awesome City Tracks』をリリースし、iTunesロックチャートで1位を獲得するなど話題を呼んだ。デビューから2年間で4枚のミニアルバムをリリース後、ベストアルバム・EP・フルアルバムをリリース。毎年コンスタントに全国ツアーも行いながら、国内外の大型フェスティバルにも多数出演。

Awesome City Club以外での個々の活動も盛んで、数々のアーティストへの楽曲提供やライヴツアーへの参加、また自身のアパレルブランドを立ち上げるなど、音楽のみにとらわれずさまざまなカルチャーシーンで注目を集める存在となっている。2020年には3作連続シングル配信、春にはフルアルバムをリリース。2021年には、映画『花束みたいな恋をした』にPORINとメンバーが本人役で出演し、さらに映画のインスパイアソング「勿忘」をリリース。各配信サイトで上位にランクインし続け、3カ月足らずでストリーミングは1億回再生を突破。2月には「勿忘」を含む10曲を収録したフルアルバム『Grower』、続けて4月には「またたき」、6月には「color」、7月には「夏の午後はコバルト」を配信リリースするなど、精力的に活動している。
› Website:https://www.awesomecityclub.com

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