My Fav Chord | 須田亜香里（SKE48）
E7が入っているとときめきます。胸の奥がキュってなる感じ
どのアーティストでも一つは自分の好きなコードや得意なコードを持っているはず。フェンダーのアコースティックギターに焦点をあてた「My Fav Chord」では、アーティストの“好きなコード”に注目し、なぜそのコードが好きなのか、そのコードが使われている自身の楽曲や思い出の楽曲についてのエピソードを掘り下げる。第1回目は、ギターを始めてまだ8ヶ月だというSKE48の須田亜香里が登場。実際にコードを押さえながら語る動画とともに楽しんでほしい。
指1本でこんなに響きが変わるんだ、という感動
― 好きなコードを教えてください。
須田亜香里（以下：須田） 好きなコードはE7で、アンニュイな雰囲気が好きです。これが曲の中に出てくると“キタ！”って思います。
― E7にまつわるエピソードは？
須田 初めてギターを買って、何か弾きたいと思って短くてキャッチーな曲を探したんです。CMソングは短くてキャッチーなものが多いから、曲を探していたところ、ヒガシマルうどんスープのCMの歌が私の中でヒットして。それでコードを調べていたら、簡単なコード進行をネットで見つけたのですが、それがAmから始まって三つ目に早速Fが来るんですよ（笑）。その後にEとE7が来るのですが、Eから指を1本離すだけでちょっと切なくなる感じがいいなって。指1本でこんなに響きが変わるんだ、という感動があります。
― 他に、E7が使われている好きな曲はありますか？
須田 あります！ SKE48の新曲「心にFlower」にも出てくるんです。好きな曲やいい曲だなって思うと、最近はコードを検索して“私でも弾けそうかな？”って見ちゃう習慣があります。この新曲のコード譜はまだサイトにはアップされていないのですが、スタッフさんにコードを起こしてもらったらE7が入っていたので“入っている！”と思って。E7が入っているとときめきますね。胸の奥がキュってなる感じが好きです。
― コードの押さえ方のコツを教えてください。
須田 メンタル的なコツなのですが、私は人にできて自分にできないことが許せないタイプなんです（笑）。Fを押さえられる人はたくさんいるのだから、自分にできないわけがない！できなかったら許せない！そういう感覚ですね（笑）。練習は必要ですが、練習で心が折れないメンタルも大事です。だってビギナーの方は、コードを押さえていると指先が痛くなるわけですよ。私はもともとクラシックバレエをやっていたので、マメができたりすることでもっと強くなるし、レベルが上がるんです。指先の皮がめくれて硬くなると必ず上達に近づくという理論が私の中で成り立っているので、マメができればできるほど、きっと指が対応していくだろうと信じてやってきました。
― 改めて、ギターを始めたのはいつですか？
須田 2021年6月にギターを買って、7月から始めました。
― ギターを始めようと思ったきっかけは？
須田 ずっと憧れていたのですが、私にはできないだろうなと思っていて。弾ける人を見ても“すごいな”と思うだけだったけど、“あんなに弾けたらいいな”と中学生の頃から思っていました。中学2年生の時に仲良くなった友達でUVERworldさんが好きな子がいて、その子と一緒にいる時はいつもUVERworldさんの曲を聴いていたのですが、「君の好きなうた」という曲のアコースティックヴァージョンを聴いた時に、同じ曲なのにアコースティックだとこんなに雰囲気が変わるんだと思って。その時からギターの音色に憧れていて、できないだろうと思っているうちに大人になって。アイドルになってからも歌とか音楽のチャンスはあったけれど、ずっと無理だと思って手を出してこなかったんです。
― なるほど。
須田 だけど、私のラジオ番組の100回記念の時、地元・名古屋のバンドEARNIE FROGsの方が来てくれて、“良かったらこれを機会にギターを始めてみてください”と、バンドの皆さんのサインが入ったミニギターをプレゼントしてくださったんです。めちゃくちゃ嬉しかったし、それがギターに触れる機会に結びつきました。で、ドレミファソラシドとか「かえるのうた」とかを検索して弾くうちに大好きになって、よし！自分で買おう！とすぐに買いに行きました（笑）。
― フェンダーのアコギを使っていただいていますが、理由は何ですか？
須田 ひと目惚れです。本当に知識ゼロだったので、楽器屋さんに入って5秒で決めました。絶妙なくすみ感と、でも光沢がある感じが他にない輝きをしてて。真っ青でもないし、完全なるマットでもないし、ピッカピカでもないし、全部のいいとこ取りをしているこの青（Ice Blue Satin）が好きでした。一応、もうちょっと見たほうがいいかなと思って、値段とか色とか条件を見ながらお店の中を歩いたのですが、やっぱりこれしか欲しくなくて買いました（笑）。他のギターと弾き比べたのですが、やっぱり音も大好きで。見た目が好きだと、こんなにも音が好きになるんだなって、運命的なものをすごく感じました。
ギターのおかげで初めて歌が好きになった
― 独自の練習方法はありますか？
須田 最初はびっくりするくらい指が動かなかったのですが、押さえられるようになるまでひたすら押さえ続けましたね。最初はGコードでさえ“無理！”と思いましたもん。“こんな指の形で押さえられないよ”って思ったし、苦手なコードもあったなぁ…。でも、反復練習をするしかないですね。やっぱり根性です！（笑）
― “ギターを弾けたらいいな”と思っている人は多いと思いますが、最初の一歩を踏み出すにはどうしたらいいと思いますか？
須田 そういう人には“楽しいよ！”って伝えたいですね。だって、本当に楽しいです！ あと、コツコツと努力するのが好きな人にはすごく向いていると思います。大人になると、努力で報われないことってありますよね（笑）。ギターほど、努力に素直に応えてくれるものはないと思います。私にとって、ギターはそんな存在です。
― ギターを始めたばかりのビギナーに、メッセージをお願いします。
須田 好きな曲を自分1人で奏でられるのはすごく幸せなことなので、その感覚を少しでも多く味わってほしいなと思います。“アイドルをやっているのに”と驚かれると思うのですが、ギターのおかげで初めて歌が好きになったんです。もともと歌は苦手だったし、ソロパートがあるだけで震えちゃうし、歌詞も間違えるし、音痴でびっくりされたり…歌うのがずっと怖かった。だけど、ギターがあれば歌うのが怖くないんです。“私、そう言えば今歌ってたわ”くらいの感覚。今までにない自分の可能性に気づかせてもらえるので、触れる時間があったらぜひ毎日触って癒されてほしいなと思います。
― 練習はひたすら自宅で？
須田 はい。反復練習は夜な夜なお家で。家に帰って見るテレビ番組がなくなった頃、お風呂を沸かし始めたらギターを触ります。お風呂の追い焚き機能をつけたまま1〜2時間は平気で過ぎちゃうので、ガス代がやばいです（笑）。
― （笑）。ギターを弾く上での目標はありますか？
須田 作詞・作曲はまだ考えていないのですが、ソロライヴはぜひやりたいです。ギターを始めた頃、スタッフさんに“ソロライヴをやってみたい”と話したら、“じゃあ全部ギターで演奏しよう”と言われて（笑）、セットリストも自分で決めて2021年11月に10曲ほど披露しました（〈Akari Suda sing with the guitar ～花車と六弦琴～〉）。少ししんどかったし出来もボロボロだったけど、最後のほうは段々と気持ち良くなって指も動くようになってきて、すごく良かったんですよ！ 弾き語りだと歌詞の意味がすごく立つ印象があって、歌詞に感情移入し過ぎてしまって3曲目で大号泣。黒い涙が出たのは初めてで、3曲目が終わったあとにメイク直しをするために一回掃けました（笑）。
― 最後に、今後の活動や夢をお聞かせください。
須田 それは、すべてギターとともにあるなと思います。コロナに感染して、1月に予定されていたライヴが中止になってしまったのですが、そのライヴは地元・名古屋でやる予定だったので家族を呼ぶつもりだったんです。ここ最近は、楽しんでいる私をもっと家族に見てもらいたいと思いながら生きています。本当にやりたいことが出来ているのかとか、将来どうなりたいのかとか、あまり上手に示せていないなって。だからこそ、好きなことに出会えている今の私をもっと見てほしいなと思っています。夢は、名古屋でのライヴをギターで披露することです。
Guitar: California Series™ Acoustic Newporter Player (Ice Blue Satin)
須田亜香里（SKE48）
2009年11月に行われた〈SKE48第3期生オーディション〉に合格しメンバー入りを果たす。現在ではチームＥのリーダーを務める。SKE48に入るまでの13年間、クラシックバレエを続けており、その体の柔軟性を活かして、2013年『関ジャニの仕分け∞』の「軟体女王No.1 決定戦」で優勝。さらに３連覇を果たし、芸能界の軟体女王の座を不動のものに。2017年に初の書籍『コンプレックス力 ～なぜ、逆境から這い上がれたのか？～』を発売。2016年・2017年の選抜総選挙では2年連続「神セブン」に選ばれ、2018年にはついに2位の座を獲得。握手会での神対応が話題で“握手会の女王”とも呼ばれている。現在は、持ち前のトーク力でバラエティやワイドショーに出演。その他にもラジオや新聞連載等、SKE48の中心メンバーとして多方面で活躍中。2018年に“須田亜香里を今までで一番綺麗に撮る”をコンセプトに、初の写真集『可愛くなる方法』を発売。
2022年5月20日（金）に名古屋マリオットアソシアホテル タワーズボールルームにてソロライブ〈あかり“も”のぞみ“も30周年！ 須田亜香里ソロライブ名古屋公演supported by JR東海〉が開催決定。
