
Signature Model Interview | Ken(L’Arc-en-Ciel) -後編-
Kenシグネイチャーモデルは現在、Ken Stratocaster Galaxy Red、Ken Stratocaster Paisley Fantasy、Ken Stratocaster Experiment #1、そして今回発表となったLimited Ken Stratocaster Dodomeの4種が存在する。ここでは、その使い分けについてと、Kenの思うストラトキャスターの魅力について話を聞いた。
曲がよりその曲にふさわしい形になればいいな、と思っています
──今、Kenシグネイチャーは4種ありますけど、使い分けは?
Ken Experiment #1を基本にして、それよりストラトっぽい音が欲しい時にPaisley FantasyとかGalaxy Red、それよりもうちょっとハードにしたい時はDodome。最初はそういうふうに思っていたんですけど、どれも好きな音でいろんな場面で弾いてるってのが今です。
──2024年のL’Arc-en-Cielの〈ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND〉でお披露目されたLimited Ken Stratocaster Dodomeですが、実際にライヴで使ってみてどうでした?
Ken 制作時にハムバッカーで実験している時も、シングルコイルから持ち替えて、ものすごく違和感があったら違うピックアップにしようと思っていたんです。だけど、セッティングを変えなくてもいけちゃったんですよ。だから、いい変化はあるけど、困ったところが全くなかったんですよね。
──持ち替えた時も違和感がなかったんですね。
Ken そこも気になってましたが、スムーズにいけました。これができたからといって、シングルコイルのストラトの音も好きだから、ライヴで持ち替えた時にセッティングを変えなきゃいけないとなったら、ちょっと難しいじゃないですか。だけど、ちょっとハードめな曲の時に持ち替えて、アルペジオとかが多い曲でまたシングルコイルのストラトに持ち替えても、僕のイヤモニの中も困らないし、FOH(PA)に聴いても全然OKで。よし!ってなりました。
──全く問題なしと。さらに言うと、昨年夏のイベント〈SUMMER PARTY ZOO 2025〉では、オジー・オズボーンの「Bark At The Moon」、ジャーニーの「Separate Ways」、パンテラの「Cowboys From Hell」をカヴァーしていましたが、すべての曲でDodomeを使っていました。つまりクリーントーンからゴリゴリのメタルサウンドまで、これ1本でいけたんですね。
Ken いけました。アンプとかエフェクターの歪み方も一緒です。
──ストラトってそこがすごいんですよね。オールマイティで。
Ken そう。それが最初の話に戻るかもしれないんですけど、やっぱりこのボディシェイプから来る音色もあるのかなと。
──そういう意味では、ストラトでの実験は、つきないですね。
Ken はい。
──ちょっと話題を変えて、そもそもKenさんは、ギター入門者時代にストラトにどんなイメージを持っていました?
Ken すごくカッコいいギターだなと思っていました。最初は、木目の見えないストラトを見たのかな。“あれは何でできているんだろう?”と思ったのが最初ですね(笑)。
──その憧れのギターだったストラトを、Kenさんはわりと早い時期に所有しているんですよね。自身のエレキ4本目がフェンダー日本製の白で、それをジャンボフレット、ブラスナットに打ち替えて、ピックアップはHS-3に交換していたという。要はこれ、イングヴェイ・マスムスティーン仕様ですよね?
Ken そういうことですね!だけど、そんな仕様にしているのに、その頃クリーンのアルペジオを気持ち良く弾いていることも多かったです(笑)。
──ハーモニックマイナーじゃなくて。
Ken ハーモニックマイナーも弾きました! 「Voice」(1993年にリリースされたL’Arc-en-Cielのインディーズアルバム『Dune』に収録)とかそれで作りました。そのころはストラトのアルペジオが綺麗だと思って弾いている時も多くて。リードの音もアルペジオの音も両方好きなんですよね!
──最初に買ったCDがアルカトラスだったそうですしね。でも振り返ると、その頃からストラトを“Experiment”していたという。
Ken (笑)。それはお店でしてもらったんですけど、その前のギターは自分で改造して、弾けないものになりました(笑)。
──その後、65年製のヴィンテージストラトと、カスタムショップのアルミピックガードのストラトも所有していますよね。
Ken メジャーデビュー1作目の『Tierra』(1994年にリリース)のレコーディングをしている時に65年製を手に入れて。アルペジオとかで、やっぱりストラトの音が好きだからっていうので使い始めたんですけど、振り返ってみると、あれぐらいの時代のパワー感のあるストラトの音が好きだったんだと思います。で、そのあとカラーがCopperのカスタムショップを買ったのかな。65年製と違うキャラで、よく使っていました。
──では、Kenさんの思うストラトの魅力は?
Ken やっぱり体にフィットするのが一番かな。あと、たぶんこの形が持っている、ピックアップを換えても何しても出てくる倍音というか、この音色が好きなんでしょうね。ストラトでリードを弾いている人の音色も好きだし、綺麗なアルペジオを弾いている人も好きだし。そういうのを、自分の中で行ったり来たり、混ぜたりしながら。今、話していて思いました。
──気になるストラトギタリストというと?
Ken ザ・ザの時代のジョニー・マーのライヴの音とか好きですね。
──そこはザ・スミス時代じゃなくて。
Ken ベースフレーズにリフがあることが多くて、それに対しての味付けとして弾いている部分があって。それで場面を変えていく、その場面を変えていくのに乗せているストラトの音色が気持ちよくて。
──今後、さらに実験してみたいことはありますか?
Ken 80年代のスーパークリーンみたいな音があるじゃないですか。ああいう方向のニュアンスが入ったものも実験してみたいですね。
──でも、キリがないですよね、それこそピックアップなんて無限にありますから。
Ken ですね。まだまだやりたいことはあります。でも変な話、1本でも大丈夫かもしれない。一緒にやってみようと言ってくれる人がいるからやっていますけど、そういう人がいなかったら、1本でどんな音が出るんだろうってやっているような気もします。
──さて、今年5月30日にL’Arc-en-Cielは結成35周年を迎えます。10月からは7ヵ所10公演のツアーがありますね。
Ken まだまだ自分らの曲で表現できる幅がありそうな気がしていて。それをなんとか出せるようになればと、いつも思っています。曲がよりその曲にふさわしい形になればいいな、と思っています。
──そしてこれも大きなトピックだと思うんですが、8月には〈SUMMER SONIC〉にヘッドライナーとして初参戦します。
Ken 最近夏すごい暑さなので、そこがちょっと心配です。でも、フェスはあまり出ないので、楽しみです。
──もちろんそこでもDodomeは使いますよね。
Ken 使います。よっぽどシングルコイルがいいって曲ばっかりじゃないかぎりは(笑)。
──最後に、Dodomeをどういう人に使ってほしいでしょうか。
Ken アンプを通さないところで言うと、ハードテイルで弾いた時の反応がすごく違うんですね。ある種、ガットギターとかアコギってハードテイルじゃないですか。そんな印象のボディに響く感じがあるんです。それがたぶん野生みにもつながっていると思うんですけど、そこを楽しみたい人にもいいし、DTMをしている人で、ものすごくドラムをprocessした中でも、ギターの音をちゃんと残していきたいという人も、ミックスが楽になるんじゃないかなと思います。
──ギター本体はもちろん、ツアーケースもとても気になります。
Ken はい。ステッカーとステンシルが付いているから、自分の好きなところに貼って、もしくはケースに貼らずに他のものに貼るとか、色々楽しんでいただければ。
──豹柄のインナーもカッコいいです。こんなこと言ったらあれですけど、ケースだけでも欲しいぐらいです(笑)。
Ken はい! ケースもexperimentですね! フェンダーには本当に感謝です。


Limited Ken Stratocaster® Dodome
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Ken
L’Arc-en-Cielのギタリストとして1994年にメジャーデビュー。『True』で初のミリオンセラーを達成し、『ark』『ray』の同時リリース、東京ドーム公演、〈WORLD TOUR 2012〉などを経て、日本のロックシーンを代表する存在として国内外で支持を集める。2002年からはSONS OF ALL PUSSYS、ソロ名義でも活動。近年は楽曲プロデュースやグッズ制作など多面的に活動し、2026年にはKenプロデュースによるDEZERTの新曲『音楽』も発表。その表現領域をさらに広げている。
L’Arc-en-Ciel : www.LArc-en-Ciel.com
35th L’Anniversary 特設サイト:https://le-ciel.com/L35

